
なった。また、この法律は卵および小売価格の標準化のシステムを提供することにもなった。酒税確保のために大店省が必要と認めれば酒類取引の安定の目的で卸売り価格は固定されることになるのだ。一方、小売価格の標準化や調整は現時点では実施されていない。 基本的に酒税は製造者あるいは輸入業者が酒類をその製造場あるいは保税倉庫から出荷する時点で納税する。この場合の出荷とは酒類の製造場あるいは保税倉庫からの物理的な移動を意味する。したがって製造場に残されたりそこで消費された酒類も、酒造免許が無効になれば、酒税法上すでに出荷されたものとみなされるわけである。また、製造者の意志によらず、製造場で消費されたり移送された酒類にかかる税金は製造者からではなく、その消費者あるいは移送担当者から徴収される。 酒税は酒類の量に基づいてかけられる。1989年の酒税改正によって従来の日本酒とウィスキーの従価税および等級制度は廃止された。そして、1994年、酒税率は改訂され、酒類も一般消費税の対象になった。 税の決定と支払いは次のように行なわれる。 1)酒造葉者は、出荷の翌月末に酒類の種別と出荷量、酒税の総領を所轄税務署長に申告し、申告後の月末までに納税しなければならない。 2)保税倉庫から酒類を引き取るものは税関長に申告するとともに、前もって納税しなければならない。 3)酒税の納入は支払い困難が生じた場合1月を限度に猶予される。 次に、この研修事業の対象である全国小売酒販組合について説明したい。この団体は組合の連合体であり、文字どおり全国を網羅する47都道府県ごとの組合から成り立っている。さらに、県単位の組合は税務署の所轄地域ごとに組織された地域組合から成り立っている。こうした地域組合は全国に445あり、それぞれに多くの小売業者が所属している。全国の小売酒販組合の合計組合員数は1996年4月1日現在137、444人である。この組合の意義は組合員の協力により酒の品質を確保し、組合員相互の利益を増大することにある。この団体は次のような活動をしている。政府と協力して酒税保全のための施策の一翼を担っておりこれは酒税法に明記されている。また、酒税法およびその関連法規の施行に関して政府と協力する。同時に政府はこの団体のメンバーと地域組合に対して違法行為のないように注意と指導をすることになる。また、政府の要請があれば全てのメンバーに指示して、必要な指導が消費者に伝わるようにする。この団体はメンバーそれぞれ
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